2020年1月25日(土)に加賀市内にて、「かがく宇かん」2回目の公開研究会が開催されます。
島のすべてが楽器である。──実験音楽家デーヴィッド・チュードア。凧を操るアーティスト、ジャッキー・マティス・モニエ。霧の芸術家、中谷芙二子。三人が立ち上げた未完のプロジェクト《Island Eye Island Ear》(1974~)。──誰もいない孤島自身が耳となり目となり、島自身の姿を聞き、そして見つめかえす。やがて環境の時間と空間は呼吸するように伸び縮みし、拡張していく。
プロジェクトを支援したExperiments in Art and Technology(E.A.T.)の現ディレクター、ジュリー・マーティン氏をアメリカから迎え、いよいよプロジェクトの本格的始動(再演=初演)に向けた議論を、中谷宇吉郎生家跡地からはじめます。広がる耳と耳、目と目、その間に世界が生まれます。
ジュリー・マーティン(E.A.T. ディレクター、ジャーナリスト)中井悠(音楽・その他、No Collective メンバー、京都市立芸術大学講師、かがく宇かん研究員)中谷芙二子(霧の彫刻家、中谷宇吉郎記念財団代表理事)岡﨑乾二郎(造形作家、批評家、かがく宇かんディレクター)
第1部:基調講演 | ジュリー・マーティンE.A.T.の歴史と環境におけるいくつかのプロジェクトExperiments in Art and Technology: History and Projects in the Environment第2部:対話 | 中谷芙二子 + ジュリー・マーティン (モデレーター 中井悠)E.A.T.の活動−大阪万博ペプシ館と《Island Eye Island Ear》の回想第3部:研究発表 | 中井悠フィードバックのリミット:デーヴィッド・チュードアによる孤島楽器化計画The Limit(s) of Feedback, or How David Tudor Planned to Turn an Entire Island Into a Musical Instrument第4部:応答 | 岡﨑乾二郎(生まれなおすこと・忘れる技術/思い出す技術)*第2部と第3部の順序が変更となりました
日時:2020年 1月29日(水)18:30~20:30
場所:自由学園明日館 食堂(〒171-0021 豊島区西池袋2-31-3)
登壇者:ジュリー・マーティン、岡﨑乾二郎、中井悠
*事前申込制
こちらまで、【お名前/ご連絡先/人数】をお送りください
参考
*ジュリー・マーティン | JULIE MARTIN プロフィール
1938年にテネシー州ナッシュヴィルで生まれる。ラドクリフ大学を卒業後、コロンビア大学にてロシア研究による修士号を得る。1960年代半ば、ロバート・ホイットマンの演劇パフォーマンスに制作アシスタントとして参加したことをきっかけに、1966年の9 Evenings: Theatre & Engineeringではホイットマンや他のアーティストたちの制作に関わった。
1967年には設立されたばかりのExperiments in Art and Technology (E.A.T.)に、機関紙の編集者として加わり、その後もビリー・クルーヴァーやその他のスタッフとともに、組織の活動とプロジェクトに長年携わる。
1970年の大阪万博のためにペプシ館を構想し、作り上げ、運営するE.A.T.のプロジェクトを記録した本『Pavilion』(1972年)の編集をクルーヴァーとバーバラ・ローズとともに手がける。また1980年代と90年代を通じてクルーヴァーとともに数多くのアートとテクノロジーに関する記事を執筆する。同様にクルーヴァーとともに執筆し、1989年に英語で出版された『Kiki’s Paris』は、その後フランス語、ドイツ語、スウェーデン語とスペイン語に翻訳された。
近年では、ロバート・ホイットマンのパフォーマンスの調整プロデューサーとして、霧、ビデオ・プロジェクションと生のパフォーマーを組み合わせたホイットマンと中谷芙二子のコラボレーション作品MoonRainなどに携わる。またシルヴィア・パラシオス・ホイットマンのプロダクション・マネージャとして、アメリカやヨーロッパでの公演に参加している。
キュレーション・コンサルタントとして、E.A.T. – Experiments in Art and Technology展を世界各地でまとめている(2015年にはザルツブルクのMuseum der Moderne、2018年には韓国ソウルの国立近現代美術館など)。現在はE.A.T.のディレクターであり、9 Evenings: Theatre & Engineeringのパフォーマンスを記録した映像シリーズの制作総指揮を務める。サウンド・アーティストのヤーコブ・キルケゴールと共にE.A.T.の歴史に関するポッドキャスト・シリーズを企画し、ビリー・クルーヴァーが書いたアートとテクノロジーについての文章を集めた本の編集を進めている。
*「E.A.T.」とは
1960年代半ばに、当時AT&Tのベル電話研究所にいた技術者、ビリー・クルーヴァーを中心として、美術家ロバート・ラウシェンバーグ、ロバート・ホイットマンらによって結成されたグループ。ニューヨークを拠点に、美術、ダンス、電子音楽、映像など幅広い表現ジャンルを横断し、アートとテクノロジーを結ぶ数多くの実験を行なった。代表的なプロジェクトとして、40名もの技術者たちが参加して、1966年に行われたイヴェント「九つの夕べ−演劇とエンジニアリング」、1970年の大阪万国博における「ペプシ館」(中谷芙二子が初めて人工霧による彫刻を発表)などがある。E.A.T.の活動は、その後のパフォーマンスという表現ジャンルや、広義のコラボレーションの先駆的な存在といえ、1980年代以降の「アート・アンド・テクノロジー」の分野に大きな影響を与え続けている。
(参考:「E.A.T.-芸術と技術の実験」NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] カタログ、2003年)
*「かがく宇かん」とは
科学者・中谷宇吉郎の生誕地であり「中谷宇吉郎雪の科学館」を保有する加賀市と、一般財団法人中谷宇吉郎記念財団とが協働して実施するプロジェクト。中谷宇吉郎およびその二女で霧の彫刻家として知られる中谷芙二子へと連なる、自然や環境に対するユニークな思想を背景として、2017年にウェブ上の準備室から活動を開始。造形作家・批評家の岡﨑乾二郎をディレクターに迎え、「科学の心」「環境は知性である。」「学ぶ力を 学ぶ」をコンセプトに掲げる。今後さらに自然科学と芸術の分野で独自の研究教育を実践し、国際的なネットワーク構築と情報発信の拠点となることをめざす。
○自家用車
北陸自動車道「片山津IC」から
・中谷宇吉郎雪の科学館臨時駐車場(送迎用 市マイクロバスあり)
※浄化センター前
雪の科学館 13:00発
会場 13:10着
・片山津地区会館第2駐車場
加賀市片山津温泉1-294地先(会場まで徒歩3分)
駐車台数に限りあり
○電車
「加賀温泉駅」から
・当日のみ、会場までの送迎用市マイクロバスあり
2便(11:40発 12:50発)
・タクシーで約12分
・路線バス 温泉片山津線
加賀温泉駅前9:40発 11:20発 12:15発
「金沢駅」から
・金沢駅からの「加賀ゆのさと特急」
金沢駅西口11:50発 片山津温泉12:34着
○飛行機
「小松空港」から
・タクシーで約20分
・路線バス「小松空港線」小松駅行きは約30分間隔で運行
小松駅からはJR利用で加賀温泉駅下車 ⇒上記によりタクシー又はバス
・キャンバス 小松空港 11:05発
片山津湯の元公園 11:23着 または 片山津温泉総湯 11:24着